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コラム:見本市都市フランクフルトの歴史

最古のフランクフルト見本市の記述

最古のフランクフルト見本市の記述

フランクフルト市の発展の歴史の中で、見本市(メッセ)はフランクフルト市のアイデンティティーの根幹となっています。1150年にフランクフルトで開催された見本市について記述された古文書がありますから、今から860年前にフランクフルトの街では既に見本市が開催されていたことになります。
11世紀になると、農業技術の進歩により収穫高が増え、余分に収穫できた農産物を売る秋の市が盛んになりました。このフランクフルトの秋の市に対して、時の神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世は1240年に特権を下賜されました。こうして世界初の見本市都市フランクフルトが誕生したのです。また、1330年には時の神聖ローマ皇帝ルドウィグ4世より、ワインや羊毛などが売られる春の市に対しても特権が下賜され、フランクフルトは見本市都市としてますます発展しました。余談ですが、春と秋に消費財の市を開催するというこの習慣は現在まで続いており、初春の「アンビエンテ」や初秋の「テンデンス」開催へとつながっています。


フリードリヒ2世により与えられた特権の証拠品

フリードリヒ2世により与えられた特権の証拠品

14世紀にはヨハン・グーテンベルグにより印刷機が発明され、本や印刷物が見本市で取引されるようになりました。16世紀には、アメリカ大陸発見やインドへの海路が確立されたことにより、貿易の中心地がそれまでの地中海沿岸都市から欧州中央都市へと変遷し、地理的に西ヨーロッパの中央に位置するフランクフルトは世界貿易の中心地となりました。この頃には、植民地諸国から手に入れた品々などありとあらゆる商品が取引され、売買の際には世界中の通貨が流通するようになりました。他国の通貨を自国の通貨に交換したいという商人たちの要望が聞き入れられ、1585年にはフランクフルト両替所が設立されました。これが今日まで続く金融都市としてのフランクフルト市の繁栄の礎となっているのです。

中世のフランクフルト見本市の様子

中世のフランクフルト見本市の様子

1200年におよぶフランクフルト市の歴史の中で、見本市と貿易、そして金融がいかに密接に結びついてフランクフルト市の経済発展を支えてきたかがよくわかるエピソードです。17世紀の30年戦争、19世紀の産業革命、20世紀の2度の世界大戦など、その時々の社会情勢の変化の影響を受けながらも、フランクフルトは見本市都市として発達してきました。


第2次世界大戦後に行われたフランクフルターメッセの看板

第2次世界大戦後に行われたフランクフルターメッセの看板

そして、1907年からは、フランクフルト市とヘッセン州の共同出資による見本市企業として見本市ビジネスをスタートしました。近年ではドイツ国外での見本市主催事業にも力を注いでおり、今では世界の30以上の都市で年間約100ものメッセフランクフルト主催見本市を開催しています。